『ヘドウィグ&アングリー・インチ』

今日「ヘドウィグ&なんとか」という映画が話題にあがったのですけれど、、、どうなんでしょう? この映画の悪評を見たことはないのですが、、、そんなにいいかしら?、、わたしは好きではありません。


なぜなら(大雑把にしか覚えてないのですが)

①「失われたペニス」を嘆いてばかりで、結局性器がすべてみたいだから。 手術をすることで手に入れた身体は無視して、 手術をしない人の身体に関しての言及もなく、、ただ「失ってしまった」と言ってる。そのせいで、手術をしない身体をありのままで自然で羨ましい身体として強化しているし、トランスセクシュアルについて否定的な見解しか提示されていない。(結局わしはトランスじゃなかったのじゃ、、という話なのかし?)


②あの主題歌みたいな曲、ローマ神話だかなんや知らんけど、「人はもともと二人で一人だけど、別れ別れになっちゃったから、離れたカタワレを探すのさ〜」みたいな歌、あれがストーリーの基調になってる気がしたけど、そういうスタンスがイヤ。

まず、みな「カタワレを探している」というところで、「カタワレ」は別に男でも女でもいいということになっています。だから、相手が男でも女でもいい、、同性愛も異性愛も良い、、と言っているみたいです。これってホモフォビア克服の見解の一つですよね、対象が同性なだけであとはみんな同じさっみたいな言い方。こういう示し方もイマイチわたしの好みではないのですが、

もっと気に入らないのは、「二人で一つ」という前提なので、「カタワレ」と会うこと/探すことで「一つ」という単位が完成するという前提になっていること。しかも、それを人間全部にあてはめて普遍化・一般化してる。二人で1単位なのだから、一人でもダメだし、三人でもダメ、ってことでしょ?
つまり、ありふれたカップル中心主義だと思う。


というわけなので、わたしはこの映画には、新しい考えにつながるようなナニカがあったとは思えないし、結局はなにも攪乱的ではないと思いました。


歌は上手でよかったけれど。