見張られる

今日、携帯電話にすでに「居場所確認」機能があるってことを知ってびっくりした。そういえば最近は、防犯ブザーや防犯機能的携帯電話など子供を守るためのグッズを目にすることが増えた気がする。わたしが小さいころにもこんな話題があったかな?と思う。もしかしたら、今の子供が昔の子供より危険にさらされているというより、昔はただ単にこういうグッズが存在しなかっただけで、今はこの手のグッズが可能になったからこそ必要であるかのように売り出されている、のかもしれない。もしも子供のころに居場所を探知できる携帯があったら、わたしも持たされたかもしれないけど。

思い出すのは小学校5年のとき。、、あ、、なんか最近わたし思い出話ばっかりしてる、、もしや死期が近いんかし?心配だわ、もうすぐ不安な旅も待ってるし、、、。ま、とにかく、小5のとき「ジョギング」という言葉を知ったわたしと友だちは、さっそくある日曜の朝ジョギングに出かけた。「ジョギング」をするなんて、なんだかガイジンっぽくて進んでる気がしてしまったのである(小1から毎日毎日学校でマラソンさせられてるのに、なぜか学校のマラソンと「ジョギング」はつながらなかったのです。)
朝7時に集合していざ出発。学校のマラソンとは違い、足取りも軽ろやかでさすがに気持ちがいい。3分くらい楽しくジョギングしていると、わたしたちは小川の流れる公園を通りかかった。ここは町のなかでグッピーが最もたくさん暮らしている小川だった。このとき7時3分くらい。、、、通りかかったのだから、少しはグッピーを取って遊ばなければならない、これはもう常識であろう。ちなみにキャッチ&リリースが基本。そのへんに転がってるアイスのカップなどを拾ってそれで捕まえるのだ。で、わたしたちは「じゃ、このビンに20匹くらい取ろうか」ってことになって、、、すぐに「100匹にしようか」となり、、、、、あーでもないこーでもないと、、、
結局そのまま夕方の5時までグッピーを取ってしまったのでした。

家に帰ったときは、呆れ怒られましたよ。確かに朝7時に「ジョギングしてくる!」と言って出かけたきり戻って来ないのでは心配します。しかもどこへ行ったかと思えば、家から歩いて5分程度の場所でグッピーを取っていたなんて、正気の沙汰とは思えません。
あっ!いま、ふと思ったのだけど、これはあまりにおかしい。いくらアホな小学生でも朝から何も食べずに一日中グッピーを取ってるなんて、、。ここにはきっと「空白の時間」があるにちがいない、「空白の時間」とはすなわち「宇宙人にさらわれた時間」!!!なんと、やっぱりわたしは宇宙人にさらわれてたのか!(すっかりムー的思考。)

居場所把握装置を持たされれば、こんなことすぐに判明するのでしょう。3時間後も5時間後も家から5分の同じ場所にいるってことがわかれば「あのバカ何やってんのかし!」ってことになって、すぐに確認されて、「やっぱりバカだった!」ってことで終わりです。場合によっては、同じ場所から動かないってことは「死んでるのかしら?」という心配につながって、「生きてて良かった」となって終わるかもしれないけど。

こんな子供の追跡は問題にするにも値しないかもしれない、けれど居場所追跡機能っていうのは、こういう人の居場所すらわかるってことだ。これって結構怖いことじゃないか。「子供を守る」とばかり言われているけれど、子供の居場所がわかる機能があるってことは、別に子供だけでなく、それを持っている人なら誰でも追跡可能ってことになる。ということは、見張ろうと思えばすぐに見張られるってことじゃないか。「好ましくない場所」へ出入りしたら、その場から追跡されるかもしれないっつう可能性もあるんじゃんか。誰が追跡するのか知らないけど、とにかくこうなるとパノプティコンの原理。「いつでも追跡されうる」ということさえわかれば、十分見張りの役割をするってことになる。これは怖い。たとえば、なんかのデモに行ったりすると、それが記録されてたりして、いずれ何かに悪用されるかもしれない。別に記録されないかもしれないけど、されるかもしれない。これだけで、デモに出るか出ないかにかなり影響がでるんじゃないか。

そういえば、ネットで本を買うときはいつも記録されてるのだから、わたしはちょっと躊躇する。「橋のない川」や「戦争と平和」は1巻を買ったきりなのに、「housewives at play」だけ全巻買い揃えてるなんて記録とか、、、、決してわたしのことではないですけどね。だいいちhousewives,,,って何ですの?わたしそんなものの存在も知りません。

こんなふうに「安全」「便利」という宣伝文句の裏で、わたしたちは何らかの情報を売り渡してしまっている可能性がある。何を明渡しているのかわからないという点は、まるでUFOにさらわれた人体実験だ。でもUFOと違うのは、異次元の存在ではなくて同次元の出来事ってこと。頑張って気がついて「勝手にはさせんぞ!」と声を上げられるかもしんない。、、UFOにも声をあげられるかもしれないけど。