チベットで感じたこと

spongey2006-05-18

中国へ行ったことだけ書いておいて そ知らぬふりをしていましたが、実はわたしチベットにも行ったのです。どうしてそのことを書かなかったのか、いろいろと個人的な事情からですが、このまま忘れてはいけないのでできるだけ書いておこうと思います。


まずはじめに、「中国とチベットへ行った」と書くのと「中国旅行でチベットにも行った」と書くのとではニュアンスが違うと思いますが、わたしとしては「中国とチベットへ行った」というふうに「中国」と「チベット」を別にしたいです。だけれど、実際には、わたしたちは中国側からチベットへ行ったので、中国の条件すなわち「一般旅券を所持し、中国へ入国する日本籍の者は、滞在日数が入国した日から15日以内であれば、査証が免除され、外国人向けの空港、港などで入国できる。」という取り決めのもとに行ったことになります。入域許可証も中国からもらったものです。
でもやっぱり「チベット」を「中国のチベット」だなんて言えないよ、、行く前よりも実際に行ってみて強く思いました。


知識も乏しく(さすがに後悔しています)、下調べも何も人任せだったので、適当に値段で選んで、わたしたちは中国にある旅行社のツアーに参加することにしました。日程はたったの3泊4日。これがラサ出発の前日になって旅行社のいい加減なオニイのせいで1日遅れ、2泊3日に縮められてしまいました。これはもう仕方がないのですが、良かったところもあって、それはツアーのお客はわたしたち二人だけ、ガイドと運転手とわたしたちで移動できたところでした。

で、ラサのすばらしかったことはたくさんあって、高山病と感動とでわけがわからない旅行だったのですが、まずは後悔していることを白状したいと思います。だって思い出すと小鳩のような胸が張り裂けそうなんですもの。


・後悔1:中国人のツアーだったこと。
同行者がガイドはチベット人にしてくれと再三頼んだけれど、現地で待っていたガイドも運転手も漢民族、というか中国人。(漢民族と中国人、どっちを使えばいいかわかりません、すいません)
最初はわたしはどうして同行者がこんなにチベット人にこだわるのかわかりませんでした。「ウィーアーザワールドなんだからさ、ま、誰でもいいじゃない。っていうか現地人にこだわるなんて、なんか観光客丸出しじゃない?」とすら思ったのですが、今ではこの無知を激しく後悔しています。というのも、漢民族のガイドは親切な人ではありましたが、でも、(実際にそこで行動していて、なんとなく感じたことなのですが、)中国人はやっぱり部外者で、現地に対しても、現地人に対しても思い入れがないように思えたからです。習慣の違いかもしれませんが、ときどきわたしの目にはチベット人に対して失礼に思えることもありました。
わたしの受けた印象だけでなく、もっと問題なのは、実際に連れて行かれるお店が漢民族の店ばかりだったことです。いくら無知なわたしといえども、この問題にはすぐに気づきました。お金がおちるのは、現地の人のところではなく、中国人経営の店ばかりっていうのが、とっても気に入りませんでした。食事をするレストランも決まっていて、そこで給仕してるのはチベット人のおねえちゃんでしたが、食事は、う〜ん、「ザ・チベット料理」というよりは「漢民族料理」っぽくてガッカリ。と言っても、高山病でほとんど食べられませんでしたが。
とにかく、チベットを自分たちのために利用する中国の仕事に加担したような気がしてしまいました。このことは次回行くとしたら、絶対に注意しようと思っています。わたしは日本で食事するときは、チェーン店は避けて(おいしくもないし)、地元のお店に入ることにしているのですが、チベットでの観光産業の状況を知らな過ぎました。誰がチベットを「観光資源」として利用しようとしてるのか、もう少し慎重になるべきでした。わたしこそその資源利用を促進する観光客の分際ですけど。


ところで、チベット人のガイドは、「(中国にとって)害のある発言や思想を撒き散らす恐れがあるから好まれない」と聞きました。
本当にそこまで言論弾圧しているのかわかりませんが、ラサ空港から、市内まで行く車のなかでまずガイドから注意されたのは
「いまのダライ・ラマについて話題にしないこと」
「政治的な話をしないこと」でした。

(同行した友人はチベット人ではありませんが、中国の少数民族の出身です。だから彼にとっては中国語は日本語くらい外国語だそうです。で、わたしは日本語だけ。だからわたしたちが何の話題をしていようが誰にも知られないとは思いますが、こんな規制があるとわかっていれば、もっと下調べをして、もっとガイドやその辺の人にさりげなく「核心」をつけるような質問を考えてくればよかったと思いました。)


・後悔2:チベット語を少しも勉強していかなかったこと。
 飛行機のなかでも、レストランでも、道端でもわたしはチベットの人に親切にしてもらったのですが(わたしブランチ・デュボワですから、いつも人のお世話になっていますの、、)、そのときのお礼が「謝謝」しか言えなかったのは、現地の人は別にもう忘れてるかもしれませんが、わたしはいま思い出しても後悔です。どうせ言えないなら中国語ではなく日本語にすればよかったとさえ思います。


特に、わたしが「バター茶が飲みたい!」と主張して(ツアー客が他にいなかったからわがままが通り)、最初にガイドに連れてかれたお店(たぶん中国人の店)は運よく閉まっていて、(ガイドが「あまりきれいでないお店だけど、、」と言ってるのを「全然気にしない」と納得させ)やっと現地の喫茶店に入ることができたのですが、そこでは、お茶をしに来ていたチベット人のOL組やお参りに来ていたおねえちゃんたちに、自家製のお酒をもらったり、ビーフジャーキーをもらったりして、とっても親切にして頂いたし、おばあちゃん2人のお客さんや、お店のおっかさんとか優しかった。いまからダッシュで戻ってきちんとお礼を言いたい!!と思うくらいです。

それにしても、、、仕事が休みだからってお参りに来ていたおねえちゃんたちは、自家製のお酒とビーフジャーキーを持参してお参りしていたようで、とってもたくましくてステキでした。お酒も、最初は舌がしびれるような感じでしたが、これがまたおいしかった。高山病のときにはお酒を飲んではいけないと聞いていたので、本当はもっと頂きたかったけど我慢しましたが。(それをガイドが変に通訳しておねえたちに伝えてしまたので、そのこともダッシュで戻って謝りたい!えーん、ごめんなさい、、。)

そうなんです。高山病でほんとに味のない万頭以外は食べられなかったのですが、この喫茶店で、バター茶をポット3本分くらい飲み干し、ナントカっていうスープ麺まで食べることができました。お酒もビーフジャーキーも、全部おいしかった。ここで体力が回復した気がします。でも、わたしときたら、無知なせいで、満足にお礼もできなかった。なんだっつってチベット語を勉強してかなかったんだろう、中国語でお礼言ったりして、、ばかばかばか!



後悔3: ・・・つづく