「いい人なんだけどね…」的なレズビアン映画

文化の秋に向けて、レズビアン映画(…定義は曖昧に)ばかり取り上げるつもりです。で、まずは「ベスト10を決めよう!」と思って、今まで見た映画をリストアップ(下に一覧)して考えてみたんだけど


1 いいレズビアン映画って10本もある?出来の悪いのばっかじゃん。
2 、、、っていうか、わたしこんなにたくさん見てるの?! 


という感じ。
研究者かよ!っていうくらい見てるねあたし。(でもご心配?なく、ほんとんど内容すら覚えてませんから。…ってこれじゃ趣味としてもダメじゃん、ただのマニアックだな)でもでも、まじな話、これをどこでどうやって自慢すればいいんでしょうね。お見合いの席で「趣味は、ひどいレズビアン映画を見ることです」って言うわけにいかないし、、、、、。(でも、実はこれって威張れる量じゃないのかも、人と比べてないから知らないんです。)


ま、とにかく、いくらわたしがたくさん見てるとはいえ、レズビアン映画は数が少なく、しかもその少ないなかいい映画ともなるとさらに少ない。


、、なんて言うと「あんた、"出来が悪い"とか言って威張ってるけど、自分で作れるわけ?」って思われるかもしれませんが、わたしは作れないでしょう。根性も才能なさそう。でも、もしもわたしがいま映画を撮るとしたら、、、そうですねぇ、、。普段は忘れてますが、わたしには数年越しに片思いをしてるおねえがいるんですよ。そのおねえをひたすら撮り続けますね。コーヒーを飲む姿や読書する姿、、自分が見たいと思う角度から見たいと思うだけ…つまり死ぬまで(あるいは接近禁止令が出るまで)撮り続けます。……というわけで、その人だけを何年もダラダラダラダラ編集ナシで見つめるストーカー映画になりますかな。


…なんて書いていたら、片思いの想いがあふれ出て10分程タマシイがはるか遠くへ行ってしまいました。いまや実在しないも同然のおねえなので、、この片思いはほとんど趣味なんですよ。というか、趣味以外のなにものでもない。
だからって、お見合いの席で「趣味は、おねえの横顔や声やコーヒーを飲む姿や読書する姿や腕や肩や靴を思い出すことです」って言うわけにもいかないけど。(…わたしさっきから誰とお見合いしようとしてんだ。)


、、えーっと、何の話題だっけ?あ、そうだ、そういうわけで「ベスト10」を決めるのは難しいので、その前にいろいろな角度でトップ5を考えていこうと思んです。


では、さっそく。簡単なところで


「いい人なんだけどね…」なレズビアン映画 トップ5
いい人ではあるんだけど、言うことが紋切り型で退屈な人っていない?悪い人じゃないんだけど、つまんないし、頭悪いんじゃん?と密かに思ってしまう、、。今日はそういう人みたいな映画のトップ5を挙げます。


1. What's Cooking (2000)
2. Better Than Chocolate (1999)
3. Chutney Popcorn (1999)
4. Metrosexuality (1999)
5. April's Shower (2003)


1. What's Cooking
サンクスギビング(日本で言えばお盆とか正月みたいな感じ。それぞれ帰省して家族と過ごす時期)を舞台に、アジア系、ラテン系、黒人、白人(ユダヤ系も)のそれぞれの家族の様子を描いた、絵に描いたようなマルチカルチュラル映画です。
 で、レズビアンが出てくるのは、、、もちろん、白人家庭。
娘が毎年連れてくるのは女の恋人、両親は二人が恋人同士だと知ってはいるけどなかなか認められず、毎年ルームメイト扱いし、家族の他のメンバーには秘密にされたまま。しかし今年は、、。というわけです。
             (後ろの二人)

 なぜ「ゲイが出てくるのは"もちろん"白人家庭」と言ったかというと、、長い話になるので省略しますが、、アメリカでは(他のどんなカテゴリとも同じく)「レズビアンやゲイ」というと白人が標準なんですね。
それから、「マルチカルチャリズム」って割と「一人に一つの特徴」で満足する傾向がある(とわたしは思う)ので、他の家族が「黒人」やら「アジア人」という「特徴」をすでにもってるので、そのうえレズビアンでは「特徴」が重なりすぎなんでしょう。(『ベッカムに恋して』の監督も、そのような話をしていました。実はあの映画はレズビアンのストーリーラインにしようか考えたそうですが、それではマイノリティ加減が多すぎると却下されそうなので、考え直したと。)

逆に言えば、この映画、せっかく「良い意図」を持っていたのですから、白人の家族だけにレズビアン話をもってかないで欲しかった。有色人にもレズビアンいるんだよ、っていう話にして欲しかった。


それはさておき、このレズビアンカップル自体は、とても上手に演じられていました。きれいだし。見ていて安心。この二人が良いので1位にしました。これだけが理由です。


映画全体は、はっきしいってつまらないです。各家族の話が長いし大した深みもないんですよね。サンクスギビングの料理が、いろいろな民族風料理に仕上がっていて面白いですが、物語はそれ以上のものはなかった気がします。(ところで、料理にバラエティがあるのはいいんですが、どの家庭でも料理するのが女だけっていうのは、せっかく多様性を謳ってるのに、どうなの???)


5. April's Shower
              
 主人公アレックスは「ストレートになって結婚する!」決心をした恋人のために、結婚お祝いパーティを開く。そのパーティのドタバタのなか、ついにキレて秘密にしていた二人の関係をばらしてしまう。
かわいそうなほど酷評の多い映画なので、「でも悪い人じゃないんです!」ってかばいたくなるけれど、でもやっぱり出来が悪いし面白くないので、、仕方ないです。


2,3,4については、http://d.hatena.ne.jp/spongey/20060810にメモってあります。



これらの映画が、いままで酷い扱いだったレズビアン表象を見直して、「ごくフツウな存在」として描こうとしているのはわかるのです。基本はいい人なので、志はわかります。でも「ごくフツウに描く」のに精一杯になってしまって、それだけで終わってしまっている気がするのです。、、こう考えると、「ごくフツウ」かつ「面白く」するって難しそうですね。(、、でもありがたいことに、最近の映画はそれを頑張っているようで、時代は変わってるんですね。)



わたしのリスト 
(ほとんどPlanetOUt からとったので、英語のものばかりです。)

8 women (2002)
Absolute Beginners (←え、これも??)
Aimee & Jaguar (1998)
Amour de Femme (2004)
Antonia's Line (1995)
Basic Instinct (1992)
Being John Malkovich (1999) -
Better Than Chocolate (1999)
Beyond the Valley of the Dolls (1970)
Bound (1996) -
Boys on the Side (1995)
But I'm a Cheerleader (1999)
Butterfly Kiss (1994)
Carmelita Tropicana (1993)
Children's Hour, The (1962)
Chinese Botanist's Daughters, The
Chutney Popcorn (1999) -
Color Purple, The (1985) -
Contact (←これってそう?言われてみれば、あのボーイフレンドみたいなの、とってつけただけみたいだったけど)
D.E.B.S. (2004)
Desert Hearts (1986)
Fire (1996)
Foxfire (1996)
Fried Green Tomatoes (1992)
Gia: The Tragic Story of a Supermodel (1998) -
Go Fish (1994)
Gymnast (2006)
Heavenly Creatures (1994) -
Henry and June (1990)
Hide and Seek (1996)
High Art (1997) -
Hours, The (2002)
I've Heard the Mermaids Singing (1987) -
If These Walls Could Talk 2 (2000)
Imagine Me & You (2005)
Incredibly True Adventure of Two Girls in Love, The (1995) -
Kissing Jessica Stein (2001)
Love and Suicide
Lost and Delirious (2001)
Maedchen in Uniform (1931)
Metrosexuality (2001)
Monkey's Mask, The (2000)
Monster (2003)
Mulholland Drive (2001)
Portrait of a Marriage (1990)
Puccini for Beginners (2007)
Queen Christina (1933)
Salmonberries (1991)
Shinjuku Boys (1995)
Show Me Love (1998)
Therese and Isabelle (1968)
Things You Can Tell Just By Looking at Her (2000)
Thirteen (←これってそうだっけ??)
Treading Water (2001)
Truth About Jane, The (2000)
V For Vendetta
Watermelon Woman, The (1996)
When Night Is Falling (1995)
Wild Side

リストにあげといて、全然覚えてないものもあるかも。
あとさ、いま気づいたけど、set it offとか抜けてるよね。