「割れた窓」

前にデモクラシーナウ見てたら、偉そうな人(→ジジェク)がこんなカンジのこと言ってました。
エコにしろ飢餓問題にしろ「大変だからとにかく早くなんとかしろ!」という脅しに乗ると、効果的な方法が見えず、別の方向に利用されるかもしれない。だから気をつけて。勇気を持って一歩下がって!
これを聞いて、納得できたわけじゃないけど、「確かにねー、自分が飢えてないんなら一歩下がる余裕あるんだし頭使えるかもね、、」なんて思ってたんで、


それで、友だちんちにあったこの本『なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか?:小さな力で大きく動かす!システム思考の上手な使い方』に興味をもち、借りてきたんです。


この本が紹介するのは、
やみくもに問題に対処するのではなく、問題を引き起こしている「仕組み」を理解して、その仕組みのうちに有効な介入点を見つけ、仕組みを利用しながら変化をもたらす。
という方法。らしい。


それでね、
この方法はさておき
わたくし、この本の方法論とは関係ないところでつまづきました。


落書きを消したらニューヨークの地下鉄の治安が良くなった、という例を挙げて「割れた窓理論」を紹介しているところです。141〜144ページ
ちなみに「割れた窓理論」とは、
割れたままの窓があると、通行人に「この場所は誰も責任をとっていない」という印象を与える。こうして「無法地帯」の雰囲気が広がり、治安が悪化していく…。
だからこの割れた窓を修理すれば治安は良くなるのだ、、、というわけで


直接取りかかるよりも効果的な方法があるよ、という例だと思いますが、


それにしても、

都市においては、たとえば落書きや風紀の乱れなど、比較的些細な問題のすべてが『割れた窓』と等しく、より深刻な犯罪の呼び水となる。ホームレスが通行人に迷惑をかけていても許されるような地区なら、強盗事件が起こってもその場に警察を呼んだり、あるいはその後に警察に訴える可能性は少ないだろうと犯罪者は考える(144ページ)


って説明*1どうよ?!  「ホームレスが通行人に迷惑をかける」だって?!


わたしに言わせれば、

貧困と犯罪とを結びつけて排除するこうした言説のすべてが「割れた窓」と等しく、さらなる格差助長の呼び水となる。ホームレスと呼んで一部の人々を平気で排除するような社会なら、労働者が迫害されていても警察や経営側を訴えたり、あるいは政治に反映させる可能性は少ないだろう、とブルジョワは考える 

でしょうね。



貧乏を「他人事」で片付ける姿勢にはわたしホントめっちゃアタマくる!!!
なんだよ、おまえら!!

(いま、テレビでひどい番組やってると教えてもらった。絶対見ないぞ!
、、ああ、、ちょっと見ちゃった。びっくりよ!(哀れむ対象としての)貧乏人と変人と珍獣を集めた悪趣味な見世物番組じゃんか。こういうバカ番組のせいで年間40万人が憤死してると思う。それにしても、ゲストが「かわいそう」とか泣いたりして見せる画面の小窓、、これ何??「こうやって解釈しましょう」っていうお手本?どのような態度で見るべきか教えてもらわなきゃらないほどわたしたち視聴者ってパーなの??びっくりね。)

*1:誤解を与える雰囲気ですが、著者たちが考え出してこんなバカなことを言ってるのではなく、参照元の文献がそう言ってるようです。