“A Place Where Women Rule”

Washington Post
A Place Where Women Rule

All-Female Village in Kenya Is a Sign Of Burgeoning Feminism Across Africa (By Emily Wax. July 9, 2005)

ケニアにある女の村Umojaは、10年前、レイプされ夫に追い出された女たちによって荒地につくられた。安全な場所の確保から始まったこの村は、今や文化センターやキャンプ場を有する豊かな村になり、近隣の村からも助けを求める女たちが訪ねてくる。


リーダーのRebecca Lolosoliは、近隣の村の家々を訪ね、女には権利があると説いている。「(わたしたちのコミュニティでは)女は男に返答してはいけないし、面と向かって話すこともできません。これを変えないといけません。権利を主張していけば、やがて敬意も得られるはずです。でも、何も言わないままでは、言いたいことがないのだと思われてしまいます。もっとも、わたしはそう言うことで嫌われましたけどね。」


ワシントン・ポストのこの記事(この村を手ばなしで賞賛したがっている)はあまり触れていないのだが、ここにcatch22的な問題がある。何も言わないままでは「言うべきことがない(現状維持でよい)」と思われる→だから何か言うべきだ→けれど、状況が阻んでいて言えない→その状況を変えるために何か言うべきである→しかし状況がそれを不可能にしている→何も言わないと状況が変わらない。→しかしそれを言う語彙も機会もない→言わないと変わらない→


だけれど、わたしは「catch 22」とは書いたけれど、catch 22ではないと強く強調したい。

Umojaのようなところが、安心して発言できるキッカケを作り、訴えを聞き取ろうとする場所ともなれば、このようなcatch22的な状況を打ち破る突破口の一つになるんじゃないかな。なって欲しい。問題をアドレスできるボキャブラリを増やし、活動が届く範囲を伸ばして欲しい。


詳細がないのでわからないのだが、この村が経済的に独立できている様子なのが強いと思う。

日本にある女の団体の多くは資金面で苦労している。これまたcatch 22的で、女の地位が低く経済的に余裕がないためにこのような活動に資金が少ない、けれど、このような活動がないと女の地位が低いままになってしまう。特に緊急を要するDVに関しては大きな問題。経済的独立を阻まれていてDV被害を我慢するしかないと諦めていた人が、やっとのことでDVの相談に来たとしても、相談先が資金難では、援助がとても限られたものになる。結局加害者のところを出ることができないという話を聞くのはとてもつらくてやるせない。


でもこれもcatch22ではない。

実際いろいろと活動をしている人たちや団体があるのだから、それらを調べて良いと思うところを積極的に支持・参加するべきだと思う。できる人は資金面で。あるいは余裕がある人は何かをはじめるといいと思う。
わたしたちはユートピアに暮らしているのではないので、「自由」に選ぶことはできないし、自分が意図したように参加することもできない、だけど、かといって選択を放棄しろということでもないし、放棄することはできないと思う。選択の枠は限られているし(限られているからこそ選択なのだが)、選択するわたしたちも制限づけられているのだけれど、それでも選択できる機会を捉えて選択・参加するべきだと思う。だから情報も広くあれ〜。でもアホな情報は減れ〜。


さて、ワシントン・ポストの記事に戻ると、この村のほかにアフリカのフェミニズムについての小さな紹介がある。


ウガンダでは今月何千もの女たちが集まり、夫が第二夫人をとるときの法的権利に関する法律を主張した。(HIV予防)

ルワンダは下院議員の半分が1994年の虐殺を許したリーダーに反対する女たち。

今回この記事を選んだのは、「漠然と哀れなアフリカ」というイメージだけを打ち出した運動では見ることができない、具体的で力づよい女たちの話だと思うから。



(DVについて。残るという決断も選択。相談しようだとか残ろうと決断するのはとても力のいることだと思う。ただ、一人で背負わなくていいのだし、決定したあとでも別の決定の可能性がある。相談の場所は問題に取りくむボキャブラリーと選択枠を広げる場所となって欲しい。、、家父長制丸出しのボキャブラリーを押し付けるところもまれにあるけれど。)

(catch 22:「ある要求を達成するためにはある前提条件を満たされなければならない。しかし、その前提条件をクリアするためには、そもそもの要求が満たされないとならない」という悪循環。)(ボキャブラリーが少なくて他の表現がわからない、すいません。)


追記
「女だけの村、嫉妬した男たちに襲われる」
http://news.telegraph.co.uk/news/main.jhtml?xml=/news/2005/07/16/wkenya16.xml
・・・
Angry young men with no money in their pockets now stop minibuses taking tourists to the nearby Samburu and Buffalo Springs National Reserves, warning drivers against stopping at Umoja.

Gangs a dozen strong have mounted daytime raids through the thorn fence circling the village, chasing the women into the bush, beating them with clubs and threatening to torch their stick-and-dung homes.

"We do not have peace in the village now. These men are so angry because we have money and we do not give them any," said Rebecca Lolosoli, 43, Umoja's de facto chief and one of its founders.

"We ran away first because we were being beaten and now we are trying to change our lives, we are being beaten again because of how we are doing well."

Local authorities have promised to investigate, but there is great pressure on police officers to turn a blind eye.

・・・

"This is now our place and we will not run from here," said Nasara Lekutas, as the women sat in the shade of a wide acacia tree quietly nodding their determined agreement.