感想ノート
『レ・ミゼラブル』
わたしに語彙と知識があれば、、せめてブンガク用語を知っていれば、、もう少しマシなノートが取れたかもしれませんが、、、、わたしの小さな頭で、このものすごい小説を読んだ結果、印象に残ったことのメモです。
(今度読むときは、こういう視点から読むと思います。とくに②を。)
①
「男」の物語?
「誰」が行動するか。
「誰」が許し、戦い、決断するか(または、そうすることでどのような立場を得るか)。
(男の登場人物であることが「行動する男」の位置にいることではない。そういう行動をすることが「男」ってことになってそう、って意味。男であればそこにアクセスすることが許されてはいるけど。)
ちなみに、「女」は受身。
従う、怯える、所有され、"消耗"され、無視される。政治には関係ない。
・司祭の妹
・ファンティーヌ
・コゼット(「所有」される。質問しない。出入り禁止区域があるなども。)
・エポニーヌ(行動するときは男装(そして失敗する)
・ジルノルマン氏のオールドミスの娘
プラス、ビミョーな立場
・エポニーヌの男装
・浮浪少年ガヴローシュ
・アンジョルラスとグランテール(二人の関係アヤシイし)
・マリユスはコゼットを所有するまでは「女性的」ではないかし?
、、下水道を通って(「男」になるべく)生き返る?
②「内部」と「外部」の亀裂、混同、入れ替わり
(この小説の「社会」が貧困者を犠牲にして切り捨てていると仮定して/かつ、この小説がこうした問題に目を向けようとしていると仮定して)
内部 / 外部
・「市民/男」と「非市民」
・「健全な人」と食べ物にありつけない人、泥棒、娼婦、徒刑囚、浮浪児
・善行と迷い・悪行
これを分断したり、顕在化させたり、あるいは混乱させたり再び分離させる(そして、最終的にはこの二極に分類される様々な分子を行き交わせる)「媒体/分離-装置」としての
・修道院
・隠語
・暴動/反乱(バリケードの中と外も)
・下水道
・「ジャン・ヴァルジャン」
の役割。
(修道院の描写は実はジャン・ヴァルジャンのこと?--社会の外部にあって同時に社会の一部であるような、過去の遺物にして現在にも残るような不/道徳。あと、修道院内部での規律とジャンバルジャンが自分に課した規律--
隠語が貧困層に自律性をもたせていたり、市民社会に「上る」こと)
③
で、「良心」や「善行」とはなんぞや、「変化」はとはどういうものか。
なにが「悲惨」か。
①②③三つの段階に分けたけど、これは恣意的に分離させただけで、本当はこれらのものが分かちがたく重なっている。
その他の感想
・これがなんだかわかりません、、大河ロマンス冒険ドラマにして、社会の陳述書であり嘆願書、、
・わりと社会狭いよね(みんな知り合うという点で)
・ジャン・ヴァルジャンが最後に禅ヒーローになることを期待してしまったけど、そうではなかった。