煙草が象徴すること

「先進国」では喫煙者が減ったので、煙草会社は「途上国」での商売により力を入れていると聞いたことがありますが、ここに大変興味深い記事がありました。


The blog of Jackie Tumwine
Does tobacco empower the African woman?

アフリカの女性をターゲットにした煙草の販売戦略についての記事です。
写真だけでも興味深いので見てください。


記事によると、
「アフリカで女性の喫煙率は低かったのは、(健康への配慮ではなく)女が煙草を吸うことに対する社会的文化的タブーがあるから」だそうですが、
現在、煙草産業はこれを利用して、煙草を「女性の権利拡大や平等、セクシーさやモダンな感じ、そして西洋的な自立といったことのシンボル」として売り出していると指摘しています。

1990年6月に発行された煙草産業ジャーナルは、このような指摘をしています。「女性はより自立し、したがって、伝統的ではないライフスタイルを取り入れてきています。煙草は、彼女たちが新たに手に入れた自由の象徴となりうるでしょう。」An editorial in tobacco industry journal ,Tobacco Reporter June 1990, highlights this fact. "Women are becoming more independent and, consequently, adopting less-traditional lifestyles. One symbol of their newly discovered freedom may well be cigarettes."


・写真の一番上、ヴァージニア・スリムの広告には、「、、、美しさのために」
 それから「find your voice」とあります。う〜ん、うまく訳せない。自分の声を見つけよう。→自分らしく、あるいは、自分の声(自立した発言権)をもつ、かな。(→「わたしらしく」型?)

・次の広告は、何の銘柄かわかりませんが、胸の開いた白いシャツ(ちょいセクシーでかっこいい)の女性が、携帯電話(モダンの象徴)と煙草を手にしています。忙しいキャリア・ウーマンでしょうか。(「できる女」型)

・三つめの広告は、「民族衣装」らしきものをきて、「民族音楽」にあわせて踊っているところ、かな。
「ナイジェリア人が地球でもっとも幸せなのには訳がある」という一文がついています。(愛国型)


ところで、しかし、

健康・医療においても不平等という問題があるため、多くの女性は病気になっても医療にアクセスすることができません。危険なタバコ中毒になってしまう女性は、どれほど自由なんでしょう?
The problem of health inequities in Africa mean many African women do not have access to health care when they get sick.
How free is a woman trapped in a deadly addiction?

    (わたしとしては、「アフリカ」のどこか、アフリカ全体なのかも教えてほしかったですが。)


わが国でも、イチオウ昔は、というか今もやんわりと、女の喫煙は奨励すべきじゃない、ってことになってたのですよね、(これまた「女性の健康のため」というよりは、「母体保護」とか「女らしさ」のため?、、知らないけど。)
煙草の宣伝に「煙草を吸う女」が出始めたのは最近のことだと聞いた気がするけど、どうなんでしょう。


、、日本でも喫煙者の肩身が狭くなっているようですが、煙草にはどんな意味が付与され、、喫煙者はどんな人(だと思われる)ってことになってるんだろ? 「煙草を吸う女」は? 
(そういや『Nana』って映画ではすごい吸ってましたね。「現代」が舞台なのに、喫煙シーンがたくさんある映画は久しぶりな気がしますが、寡聞にしてそれがどうとられているのか知りません。)(ついでながら、昔のアメリカ映画見てると、みんなすごくかっこよく喫煙してますよね。あれ、かっこいーよなぁ。、、ところが、『トリプルX』という最近の映画では、ヒーローが悪党に「煙草は命取りだぞ」って注意していて、案の定、煙草が命取りになってました。時代は変わりますね。)


わたし、煙草広告に全然注意を払っていなかったのですが、これから少し注意してみよう。

それから、もう一つ大事なこと、どこで誰が煙草の草を作っているのか。