トーベは一人暮らしじゃない

さっきテレビをつけたら、教育テレビで「ムーミン」の作者トーベ・ヤンソンの話をしていました。「ムーミン」ってどんな話かあんまり覚えてないけれど、素敵な絵でしたよね。ミーが。
けれど、一つだけ気になったことが。
番組では作者トーベの人生を生い立ちから亡くなるまで追っていたのですが、「トーベは孤独を愛していた」という感じの文脈で、彼女が暮らしていた孤島を取材していました。ひと回りするのに10分もかからない小さな島に、一軒家がポツンと建っています。可愛らしいログハウスで暖かい雰囲気です。

で、番組の解説では、「世間から離れて、トーベはここで一年のうち春から秋までを過ごしました。」「訊ねて来るのは母と親しい友人だけ」とだけ。
まるでトーベが一人暮らしをしていたような印象を受けました。


そうだったのでしょうか? 
わたしが聞いた話ではトーベはレズビアンだったし、数十年も一緒に暮らしていたパートナーがいたとか。オープンに。
Wikipediaでみても、Tove Jansson lived with her partner, the graphic artist Tuulikki Pietilä.とあります。


なぜ一言でもそう言わないのでしょう?言ったら商品が売れなくなるの?なにもそこで二人が何をしていたかを言えというわけではないのです。「レズビアン」という言葉を使わなくても(トーベがそうアイデンティファイしていたか知らないし。)でも、一緒に暮らしていました、くらい言ったらどうでしょう?


この世のものは何も言わない限りはストレートと思われてしまうのだから、
そのぶん、ストレートでない人・コトの可視性は大事な問題なんです。


わたしたちが慣れ親しんできたものが、レズビアンの作家によるものだなんて、ステキじゃない?どうしてそれを隠蔽するのでしょう?


最後に映った一枚の写真、トーベが頭に花輪をつけてオメデタイ感じで海を泳いでいる、その後ろで、小さく、家の前を歩いている人影が見えましたが、、、モノズキはそこから推測すればよいってことなのでしょうか。