15時間寝るわけは

今日は政府の陰謀で15時間も寝てしまって、暖かく晴れた日だと言うのにさわやかなことが一切できずに終わりそうだ。いや、早起きしたところで今日は遊んでくれる友達もいないので、よっぽど気が向けば近所の散歩をするくらいだ。でも、散歩するといっても、知ってる道を歩いても面白くないから、知らない道を散歩することになって、そうなると今からでは夕方の約束までに帰ってこれるかわからない。方向音痴なわたしは、ちょっと知らない道を通るとまるで樹海に迷い込んだようにわからなくなってしまうのだ。家のすぐ近くだからと油断し、出来心から知らない道へ入ったばかりに、どこまで行っても知らない風景、さんざん歩き回ってもう二度と帰れないんじゃないかって絶望して、ふと見上げると前方にかすかにデパート(家からは3駅先にある)が目に入って助かったりする。あるとき、都会に住んでいるというのに、歩き回った挙句に最終的に(歩道でも階段道でもなく)いきなりハシゴが現れたときはとても驚いたが、仕方なくハシゴを降りて建物のの影を出ると、すぐに大きな道路に出て助かったこともある。別にそんなルールがあるわけじゃないだろうけど、ハシゴの次が大きな道路っていうのはちょっと変な感じだ。ハシゴがあるなら、次はちょっとした小道があって、それから車一台分くらいの道路になって、やがて大きな道路っていうのなら段階を踏んでいるからいいけど、ハシゴを降りてすぐ大通りっていうのは、湧き水のすぐ先に滝があるようなもので、心の準備をする間もない。こんなこともあるのだから、散歩には勇気と時間が必要なのだ。「知らない道を通ると頭が良くなる」という説を信じてはいるが、そのたびにとんでもなく迷うばかりで、「何度やっても『やみくもに歩いても帰れない』って学ぶだけの知恵もつかないのね」と指摘されるのも納得である。、、これはまるでわたしの人生を物語っているようだ。
そんなわけで散歩に行く気もしないので、家でウジウジしてることにした。それなら15時間くらい堂々と寝て、さらに5時間くらい昼寝してもいいのだけれど、政府の陰謀で「あーまた15時間も寝ちゃったよ、わたしってホントにルーザーだな」ってウジウジ思わされるようになっている。こうなると「わたしこのままでいいのかしら、、いいわけないよね、、だって、、ウジウジ」と考える不健康なサイクルになってしまって、さすがにわたしも政府の陰謀で「やっぱり矢のようにストレートに結婚して子供でももとうかな」と考え出すのだけれど、わたしがこんな考えに及ぶようになったというのに、いまやわたしと結婚したがるような人がいなくなっているという有様だ。それならそれで「ま、いっか」ってことにならずに、政府の陰謀で「じゃあどうするのさ」という切迫感を感じさせられるので、途中までは不幸だったけど一発逆転で幸せになった人の物語でも読んで慰めようと思う。あ、いや、政府の強要する制度に反対して人民が解放される物語にしようっと!
、、なんて考えてるだけで疲れてしまって、明日も15時間寝てしまうかもしれない。これじゃ怠け者だと思われるわ、、、っつうかわたし怠け者なんだったっけ、、いかんいかん、想像力を貧しくする政府の陰謀に対抗すべく予定を立てよう。、、帰れなくてもやみくもに歩く方がカッコいいやもしれん。、、カッコ悪いやもしれん。