ユリ・コチヤマ

そういうわけで、ここ何年間「デモクラシー・ナウ!」を見ているのだけど
記憶に残っている特集がいくつもある。


そのなかの一つ、
2006年2月21日(2・21はマルコムXが暗殺された日)の特集
ユリ・コチヤマさんのインタビューをぜひ日本語字幕で放送して欲しいな!


この特集で初めて知ったのだけど、ユリ・コチヤマさんは
アメリカの日系二世の市民権運動アクティビスト 
このインタビューのとき84才(今年の5月で86才)になる、、そうだ。
(インタビューのときに着ているのは、ムミア・アブ・ジャマル解放*1Tシャツ。)


インタビューでは、、

・マルコムXが撃たれたときの様子
  コミヤマさんはその日講堂にいて、マルコムが撃たれるとステージに駆けつけ
  マルコムの頭をひざに乗せて
  Please, Malcolm, please, Malcolm, stay alive と語りかけていた。


・マルコムXとの交流
    初めて会ったときの会話から、集会のこと、アフリカに行ったマルコムからの手紙
   マルコムと広島・長崎の被爆者の面会


・そして、第二次大戦のときアメリカでの日系人迫害  、、を話している。
  


わたしは、マルコムXの集会に黒人以外の人たちが関わっていたことも、撃たれたマルコムの頭をヒザに乗せたのがアジア系(コチヤマさん)だったことも、マルコムがいろんなグループに関心があってアジアの歴史にも詳しく、様々な交流があったことも知らなかったので、
マルコムが暗殺された日の特集を、ユリ・コチヤマのインタビューにしてくれて、こういう人種や立場をまたがる「連帯」の可能性を再現してくれて、偉い!と思いました。

そういう視点を持っているところがデモクラシー・ナウ!の素晴らしいところですね。


それから、このインタビューの面白いのは、(、、面白がっていいのかわからないけれど)
エイミー・グッドマンの質問と、それに対するユリ・コチヤマの答えが、すっごくズレてるところ。


たとえば、マルコムはアフリカ訪問中にコチヤマさんに手紙を何通か出したそうだけれど、そこに何が書かれていたのかを聞きたかったと思うんだけれど、コチヤマさんは「どこそこから1通、どこそこから2通、どこそこからは1通、、」というのをずっとやっていて、結局内容には行き着かない。
 被爆者とマルコムが会ったときについては、
エイミーは、「被爆者がマルコムに何を話したのか」「それを聞いてマルコムがどう反応していたのか」とか、そういったことを聞き出したかったと思うのだけれど、
コチヤマさんは、「アジア系、白人、黒人、ラテン系、、とにかくたくさんの人がきて、4部屋ある家がいっぱいだった。みんなが握手をしたがって、でも握手してって頼んでいいかわからなくて、、誰かが思い切って聞いてみたら、マルコムはそれにフレンドリーに応えてくれて、他のみんなも次から次へと握手を求めて、、マルコムはひとりひとりにとても快く応えて、会えて嬉しいというカンジで握手をしてくれたのよ。、、とにかく人がいっぱいだった、、」「通訳を介すと、一人が少し喋ったら通訳して、他の誰かが喋ったらまたそれを通訳してってカンジで時間がかかるから、通訳をいれないにしたんだけど、それが良かったと思う、」って感じで細かく描写していく。
、「それはさておき、どうだったの??」と言いたくなるような、「さておいて欲しい」ことの方を、ものすごく詳細に説明している。(84才ですものね。、、もちろん、すごくカッコいい84才)


インタビュアーの思い通りにいかない、インタビュアー(あるいは視聴者)の想定してるかもしれない物語には集約されない、草の根インタビュー?なところも、きちんと見せてくれて、そこも良かった。
ただ、、コチヤマさん、マルコムと被爆者がどんな会話したのか教えてくれぇ!!


http://www.democracynow.org/article.pl?sid=06/02/21/1442218
というわけで、こういう特集も日本語で見られることを望みます。 

*1:ムミアについて日本でもhttp://www.jca.apc.org/mumiaという活動があるみたい