おおきなかぶ

『「おおきなかぶ」はなぜ抜けた?』という論文集?を読んでいる。
「大きなかぶ」の話、面白いですね〜。


(わたしの記憶では、この話のあら筋はこんな感じ。
なかなか抜けないカブを、おじいさん、おばあさん、孫やら孫娘、犬やねずみまで集まって、みんなで引っ張って、やっと抜けました。)


それでね、この本によると、
このお話が教科書に採用されてることについて、自民党がケチをつけたんだって。
1980年代。自民党の『自由新報』はこう非難している。

「これは小学校一年用の教材だが、(…)これがなんとロシアの民話だ。(…)この作品で『おじいさんの労働を前提に集団的労働を学ばせ、団結を子供たち自身の問題として考えさせる』のだという。『団結』も『集団的労働』も悪くないが、それを教えたければ日本の民話にも同じようなものが無数にあるではないか。にもかかわらず、小学校一年生から何故ソ連の民話を学ばせなかればならないのか。」


、、この党の人たち、こういう病気かし、、?


わたしとしては、「おじいさんの労働を前提に」ってところにつっ込みたいね。昔話で「おじいさんおばあさん」といえば、性的な意味あいを抜かれた「父と母」、、だったよね? 
ってことは、これは父が先頭のヒエラルキー、、「父の労働を前提にした家父長的な家」の気配じゃんかし! 
ったく、孫娘を家父長にしろ〜!!!(…ん?)


、、なんてことを言ってるわたしはまだまだ甘い。
この話のすごいところは、そんなことじゃないのだ。
なんと、『おおきなかぶ』の終わりは、わたしたちが思ってたのとは全然違うんだと。

もともとの話はこうだ。


、、みんなで頑張っても抜けないでいると、

「そこへネズミがひょっこりあらわれて、かぶを食べてしまい、ひっこぬいた!」 なんだってさ!


ネズミ、協力してないじゃん!!
、、「団結」は??「集団的労働」は?、、ソ連はいいの?? 



というわけで、(フレーズの繰り返しという話はさておき)、、童話一つにも、いろいろな言説が積もっていること、それが様々に引用されてること、そういうことが垣間見れて面白かった、、まだ読んでる最中だけど。