『パンズ・ラビリンス』

パンズ・ラビリンス
とてもいい映画でした。ここ数年の傑作だと思う!
途中は恐怖のどん底かつスリルがあるし、最後は感動で涙が出てきます。目を伏せたくなる残酷なシーンさえも、ただショックを与えるためではなく、物語の構成部分として活きてるし。
そのうえ、この映画がすごいのは、確かにファンタジーなんだけど、どこからどこまでがファンタジーで、そしてそれが"誰"のファンタジー(女の子の?「正義」の?観客の?…?)なのかもわからないところ。いろいろなレベルでいろいろな問題、出来事、関係、感情に触れていて、いろいろなレベルでの解釈を可能にしている…というより、一つの見方に収まることができないのです。(ここで「例えば、、」といいたいところですが、わたしは譬えるほど整理できていない。) という感じで、今のところ解釈の方針が決まらないんだけど、それはもちろん物語が中途半端だったり組み立てが甘いからでは全然なくて、その逆で、素晴らしくよく出来てるからなんです。
ホント素晴らしい!妖怪もゴヤの絵みたく怖い!


(ついでながら、こんなみみっちい?こと誰も言及しないかもしれないので、わたしが言及しておきます。メルセデスのあの中の一人との関係が「恋人」ではないのも良かった。もしも安易に恋人にしてたら凡庸な物語になる危険だってあった(とわたしは思う)から、こういうところの設定もたいへん良かったと思います。)