わたしの基地

ところで、
わたしも子どものころ、基地や秘密の場所をもっていました。基地は、よその家の塀と笹薮の間にダンボールと新聞紙で作ったり、あるいは、空き地の土管の後ろだったり。(空き地に土管って、なんかマンガみたい。それに「基地」って言い方も、、いったい何の基地よ?って今ではツッコミたくなる)

 小学4年のときは友だちの家の裏山に秘密の場所があって、とりつかれたように通っていました。小川に沿って奥に進むと、みかんの木とびわの木といろんな木に囲まれて、小さなせせらぎと小さな土手があったのです。辺り一帯だーれももいなくて、わたしと友だち二人だけの場所、何時間でも夢中で過ごしていました。大人になったせいか、何をしていたのかは思い出せないけど、たぶんわたしたちもやおろずの神さまやナニヤカニヤと話してたと思う(映画の100倍ダサい感じで)。ケンカしてるときも含めて(そういやしょっちゅうケンカしてたけど、)そこにいたどの瞬間も宝物に思えました。まだあの感覚を覚えてるし、いま思い出しても微笑みがこぼれてしまいます。

 そういえば、ある日、別のせせらぎから「せり」を取ってきて、わたしたちの小川に植えてみたのですが、それがどんどん繁殖しちゃって、、「…なんか違う」って思いました。下手に手を加えちゃったなって。。いま思い出しても、あれはどうかと思う。映画の1000倍のダサさだけど、全部食べちゃえば良かったよ。