主張のインパクト

ポールマッカートニーといえば、わたし15年以上前にコンサートに行ったんですけど、それを思い出すといまだに激しく心が乱れるんです。


だって、ポールのやつがさー!!!  ったくアイツめ!!!


、、、なにがあったかというと、


いまどきはわりと時間通りらしいけど、以前はコンサート(とくにガイジンさんの)って平気で開始時間が遅れましたよね。、、なんだったんだろ、あれ。
で、このときも「遅れるだろうな」と思いながら、でも時間前に到着していて、特にすることもないので山奥の席でボサーーッとしてたんですよ。


そんなボサーッとしてるわたしたち観客の前で、正面のスクリーンがビデオを映し出したのです。
おおーっ、始まるのか?!っと思ったら、、、


始まりました、動物虐待反対のプロモーションビデオ*1が。


このころにはポールとリンダは熱心な動物の権利活動家だったみたいで、、、わたしはそんなこと全然知らなかったので、というかポールの歌もビートルズ以外はエボニーアイボリーくらいしか知らないんですが、、、


いろいろな動物が虐殺されていく映像が映し出されていくんです。自分もつらくなるし読んで下さる方に負担を書けるので詳しく書きませんが、いま思い出しても心臓がバクバクするくらいひどい虐待が次から次へと。


おかげさまで虐殺映像が目に焼きつき、コンサートのあいだじゅう「あの象はどんなに痛かったろう」「どうしてあんなことするんだろ」「いまこのときも虐待されてる動物がいるなんて」ということで頭がいっぱい。いくら知らない歌ばかりだったとはいえ、一言も耳に入ってきませんでした。娯楽気分が一転、悲しみとやるせなさのどん底です。
そればかりか帰り道でも、家のなかでも、ただそればかり考え、次の日もその次の週も「どんなに苦しかったろう、、でももう死んでるんだから少なくても苦しみは終わってるよね、、でも今もまたきっと、、」なんて考え、そして十数年経ったいまも映像を浮かべては苦しくてうぎゃーっという気持ちになっちゃうんです。


あんなつらい映像見せやがってっからしに、ポールめ!!!いまでも怒ってますよ!!!


怒っています。 けどね、、、、


わたしもいちおう活動家マインドを持っているつもりなので、不正義を明らかにして強く訴えたいという気持ちもわかるし、問題を広く知らせるべきだ!!とも思うのです。それに、愚鈍な人たちにはインパクトある映像で訴えないと伝わらなかったりしますもんね、、ね、ポール。


でも、、、言いたいことを通すために、怖い話や虐待や"かわいそうな人"の写真や話を"使う"のって、、、うーん、、いまいちわたしの趣味ではないというか、、(もしも自分だったら、一方的に「かわいそうな例」として扱われるのってちょっとどうなの?って思うし)
でも、その「かわいそうな様子」は言いたいことの本体でもあるわけだから、「趣味」とかそういう問題ではないのかもしれない、、だいいち"イヤなもの"を見ないよう避けて自分だけ無事でいようとする根性が嫌なシステムを再生産してるんだしね!たぶん! でも、、、


というわけなので、難しいのですが、、少なくてもこのビデオに関しては、わたしにはポールが主張したいことはある程度伝わったし効果もあったと思いますが(十数年経ったいまでも思い出すほどのインパクトですもん)、、でも主張を理解する以上のダメージを与えられた気もするのです、、、つらいものを見るのはツライもん、、、。





ところで、話はかわりますが、わたしがときどき見ている動物サイトは
「動物行動の映像データベース」http://www.momo-p.com
派手な行動ではありませんが、いろんな動物や虫の行動・表情の映像があって面白いです。
特に「遊ぶ」が好き。みんなノータリンなことやってて。

*1:PETAが作ったものかもしれませんが、違うかもしれません。会場でビデオの説明があったような気もしますが、、覚えていません。