ラス・メイヤー

先日、ラス・メイヤーbeyond the valley of the dollsを見た。(邦題は「ワイルド・パーティ」)

いろいろと楽しいところはさておいて、


全体としても、部分的にも、とってもホモフォビック。
だけれど、頭に来ない。
何故だろう。(以下、ネタバレ。知りたくない人は読まない方がいいです。)


この映画は、ストレートのカップルはみな元気に生き残り(半身不随で車椅子の恋人が …非ヘテロの死体を背景に… 回復の予兆を見せるというわかりやすい暗示つきで*1)幸せに結婚する、という結末。


一方で

Zマン/スーパーウーマン(トランスベスタイト?ロッキーホラーの博士みたい。)
と彼女が追いかけるジゴロ
レズビアンカップ
ナチ風召使
などの
「正しいセックス」をしなさそうな人たち、非ヘテロセクシュアルの人たちは
怪しいパーティに集められ、ロールプレイやら麻薬やらを破滅的に繰り広げて
挙句にみな惨殺される。


という「ストレート以外は皆殺し物語」なのだ!


だけれど最後のシーン、この生き残ったストレートの人たちの結婚は、とってつけたみたいですごく滑稽でバカらしく映っているのである。ヘテロ婚賛歌というよりは、「ヘテロセクシュアルの不思議な風習」としてコメディ化しているかのようだ。(偶然だろうけれど。)


だからこれを見ていても「幸せになってよかったね」なんて全然思わず、
「ストレートにこんな退屈なことしか待ってないなら、Zマンの変態パーティに行くほうがいいや」という気にもなろうものなのだ。(、、わたしだけ??)


ラス・メイヤー監督の映画は、どれもヘテロ至上主義ではあるのだけれど、
でもそんなことを超える豪快さがある。


「faster, pussycat, kill! kill!」では(最後には殺されるとはいえ)

ストリッパーの女たちが、ものすごい勢いで自分勝手をしていく映画。
とっても豪快。セリフもすごい。


なんといっても最初がいい。この前半だけで名作の殿堂入りすべき!
3人のカッコイイ女が、猛スピードで車を走らせる場面。3人とも同じ方向へ向かっているのに、一台の車に三人で乗るのではなく、それぞれ別々の車に乗って疾走していくのだ。、、どこへ?何をしに?−−そんなことは重要ではない。


そして、イチャイチャしてるカップルがいると、さんざんこづきまわした挙句に、マッチョぶった男を空手チョップで殺し、キャーキャー騒ぐ女子を誘拐していく。、、しかもただ連れまわすだけ。
、、理由なき身勝手。すばらしい。


それからもう一本は、、「ウルトラヴィクセン」かな。

これはもう、、、主役の女優が神々しい!!神様みたい。
っていうか神様だと思う!すばらしかった!! ひれ伏しました。


もう一本は題名も内容も忘れました。駄作だった。

というわけで、ラス・メイヤー映画、4本中3本が名作という高いヒット率なのであります。、、、?

*1:わかりにくい??…ホモは死に、ヘテロは元気にエッチができ幸せになれるという示唆