『ハッカビーズ』

ちょうど半年ほど前、わたしは
「こんな世界はいやだ。後期産業社会の競争市場はわたしたちに値段をつけて、「資本主義の認めるような価値がなければ存在価値ナシ」と追いたて、「価値ナシ」とあらば切り捨て、貧乏生活を強いていく。グローバル搾取やローカル貧乏を作り出しているこんなシステム、早く死ね!デストゥキャピタリズム!!!」という思いが強くなり、
しかし何をすればいいのかわからず、別の世界の可能性を「超常現象」に見出しそうになったけど、


今日は「ハッカビーズという映画を見た。
実存主義探偵が依頼人の「実存」を追って活躍する映画。わたしは楽しかったです。気楽に楽しめました。高校くらいで「ビッグ・ビジネス」を見て以来、リリー・トムリンには目をつけていたし(もはや誰も話題にしない生得説映画「ビッグビジネス」で目をつけるなんて、われながら鼻が利きますな…あ、「目をつけた」のに「鼻がきく」とな。それからベッド・ミドラーも。そういや数年前に同性婚を茶化したと言って反発を受けてたけど、いまはどうなのかしら?)早い展開も楽しかったです。
ただ、「解決」周辺の出来事が雑で安易なのと、「すべてはつながっている」というとき、「すべて(環境問題も石油も主人公の家庭も)」が同じ強度でつながっているかのように社会の文脈からは外され経済的政治的権力関係が無視されていたことについては大いに不満(もしや「実存主義」だから?)環境破壊や貧富の差を持ち出すわりには、「すべて」が「個人」の次元で、つまり「個人的に視点を変え、気分を変え、生きている実感の持ちようを変えること次第」程度に集約されてしまっている気がします。



というわけで、映画や超常現象もいいけど、別の世界の可能性には、これをもう一度読もうと思う。

オルター・グローバリゼーション宣言―もうひとつの世界は可能だ!もし…

オルター・グローバリゼーション宣言―もうひとつの世界は可能だ!もし…


…わたしのいまの生活も変えたいよー。え〜ん。イミノアル暮らしがしたい。わたしも実存探偵が必要なんだろうか。