『Sugar Rush』と『South of Nowhere』
思春期的につまずいてるわたしですが、転んでもタダでは起き上がりません、必ず無駄なことをして帰ってくる!ので、今回も青春に溺れてきました。、、、他人が作り出した青春に、、、
何をかくそう、このところ、ヒマさえあれば引きこもって青春ドラマ漬けになってたんです。
(無駄なことしたというのは、青春ドラマが無駄と言ってるのではなく、わたしにとって何の得がある?--見たところで自分の青春が再開する気配もないし、時給に換算したらマイナスじゃん?--というさもしい心からです。)
でも、楽しいものを見たのに、わたしの小鳩のような胸にしまっておくのはもったいないのでシェアします。
『Sugar Rush』
イギリスで2005-2006年に放映されたドラマで「キムという名前の十代のレズビアン」を中心にした物語です*1 。
全2シリーズ・20話
シリーズ1では主人公のキム(写真右:若いドリューバリモアに似てる)は、シュガーというあだ名の同級生(写真左:こっちは、、うーん若いヴァネッサ・ウイリアムズかな)に恋心を抱いていています。ドラマの始まりの独白は「わたしの名前はキム。シュガーという友だちにエッチな妄想を抱いているクィアなヴァージン」。
当のシュガーは、ストレートであるばかりか、酒浸りのイケイケのやりマン*2で男ならだれかれ構わずという勢いだし、万引きはするし、ステレオタイプなまでの問題少女。でも、あまりにも魅力的で惹かれずにいられないのです。*3
シリーズ1のポイントは、ゲイだと自覚しているキムが、ストレートのシュガーに密かに恋しているので、希望を抱いたり、妄想を抱いたり、期待薄の恋ながら全力で追いかけてるところです。ストレート相手に片思いっていうのは(というか、「片思い」はなんであれ)つらくて苦しい暗い状況になりがちですが、このドラマではこれが「醍醐味」と言えるほど毎回毎回楽しく描かれています。
キムはシュガーにとりつかれているあまり、下着を盗もうとしたり、デートレイプを企てたり(おいおい)、犬を誘拐したりと、メチャクチャやっててるし、当のシュガーはわがままで自分中心で人を利用することばかり考えてる。だけど、「でもアタシそれでもいいの、、」と思えるような優しさがたまに垣間見れるのです。すてきな方。
それに加えて、キムの家族もヘンタイ揃いで華やかだし、楽観的で楽しいドラマです。
シリーズ2になると、キムは大学に、シュガーは刑務所!に入ってる。キムはシュガーを追いかけるのやめて(刑務所の面接に毎週通ってるけど)、レズビアンバーや大人のおもちゃショップに出入りして、恋人探しをしています。、、つまり、シーズン1のように「片思いの相手を追いかける」のではなく、二人の関係が別の段階になっているのです。キムは恋人を見つけ、シュガーは出所してキムの部屋に間借りし始めて、、、テン・、という感じ。
キムの新しい相手がわたしの趣味ではない点を抜かせば、シリーズ2もまあ楽しかったです。だけど、シェールの娘でなくても「ゲイすぎる」って言いたくなる回もあり、そういう回は展開が単調なのでシュガーが出てくるとほっとしました。シリーズ1のペンキ着色の弟(自分は他の星から来たと思い込んでいる)が、シリーズ2では立派なゴス少年に成長していたのも良かった。
『South of Nowhere』
http://en.wikipedia.org/wiki/South_of_Nowhereアメリカで2005年から放映されているドラマ、今のところ2シリーズで、まだ続くみたい。いえい!
白人の中産階級一家(父母と子三人、うち一人は養子で黒人)が、カリフォルニアに引っ越してくるところから始まります。両親は敬虔なクリスチャンで、特に母親は保守的で共和党的。父親は理解ある。
物語の中心は娘のスペンサーで、彼女は新しい高校で新しい友だちと知り合い、新しい関係を築いていくわけなんだけど、、その中でも、ロックスターの娘で、"バイセクシュアル…じゃなくて、ゲイ…じゃなくてラベルなんて関係ない!"と公言して、堂々と女子とデートしているアシュリーにどんどん惹かれていって、、そしてイロイロ悩んだり、悩まされたりするのです。、、「悩んでる」といっても、今のところセクシュアリティで「悩んでる」のは最初の4話くらいまでで、あとはいい感じで全然全く悩んでないですね。お母さんが同性愛更正組合を連れてこようとも、アシュリーひとすじ、ルンルンに付き合っています。ホント見てて楽しいドラマ、続いて欲しい。
ウィキペディアにもあるように、このドラマはかなりいろいろなテーマを盛り込んでいます。同性愛、人種差別、中絶、養子、ホモフォビア、麻薬、麻薬取引、飲酒、妊娠、勃起障害、死、ヘイトクライム、不倫、友だちのプレッシャー、セックス、軍隊、宗教、、、。今シリーズの最後はマフィアの銃乱射でしたが。
がんばって欲しい。、、次のシーズンからはアジア系も出して欲しい。 (ちなみに。エイデンもかわいくない?)
他に見たドラマについては、またいずれ*4。
とりあえず、同時期に放映されたこの二つのドラマで気づいたことは、イギリスドラマでは煙草吸いまくり、アメリカドラマでは飲酒はすれど煙草は吸わず。(さんざん書いて最後のシメがこれかよ。)
そうそう、大事なことを忘れてました。これらが放送された時間。
sugar rushは、真夜中に、コッソリと、誰の目にもとまらないように、south of nowhereはMTVのティーンチャンネルで金曜夜8時半から放送されていたようです。south of nowhereえらい。うっかりテレビをつける時間に、こういうドラマがやってるのってホント大事だと思う。わが国でもそうしろ〜。
あ、あと、どちらのドラマでも「レズビアン」という言い方はほとんど聞きませんでした。ラベル用語を使うとしたらほとんど「ゲイ」。他に使われてた呼称は、クィア、ダイク、悪影響(←冗談です。でもsouth of nowhereのお母さんはそう思ってる)、、そんなとこかな。
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*1:といってもサザエさんのようにずっと同じ年齢ではなく話が進み成長します。ちなみに、このドラマは同名のティーン小説がもとになってるんですが、小説の評判は必ずしも良くないですが(わたしはそんな悪くないと思いましたが)、このドラマはかなり評判よかったみたいですね。
*3:キムと違って、シュガーは団地の母子家庭育ち(でも母親は登場しない)なので、経済格差のある友だちなんですが、ティーンドラマの常として経済状況はごくごくわずかに背景におかれているだけです。シュガーの住む集合団地を抜かせば。
*4:ちなみに『The OC』という(ストレートの)ドラマに関しては本当に時間の無駄、見たことすら忘れたいほどですが、幸いにも、忘れようとしなくてもすぐ忘れそうです。今後わざわざ書く気はないので、イチオウここに書いておきます